日本のキャッシュレス決済動向調査:30〜50代が日常利用を牽引、若年層は送金で存在感
スマートフォンや各種アプリの普及により、キャッシュレス決済は日本社会で広く浸透しつつあります。しかし、その利用実態は一般的にイメージされる「若者文化」とは異なる様相を呈していることが、最新の調査で明らかになりました。
調査概要
2025年12月、セルフ型アンケートツール「Freeasy」を用いて2段階の全国オンライン調査が実施されました。まず、スクリーニング調査ではキャッシュレス決済の利用頻度、サービス、利用シーン、セキュリティや使いすぎへの懸念点が幅広く把握されました。その後、娯楽関連支出でキャッシュレス決済を頻繁に利用する層を対象にフォローアップ調査が行われ、オンラインサービスにおける具体的なデジタル行動が分析されました。
主要な調査結果
高頻度利用を牽引する30〜50代
キャッシュレス決済の高頻度利用を牽引しているのは、若年層ではなく30代から50代の働き盛り世代であることが判明しました。この層は、通勤、日々の買い物、家計管理といった生活の利便性向上にキャッシュレス決済を積極的に活用しており、生活インフラとしての定着が示唆されます。
決済サービスの利用状況

普段利用されているキャッシュレス決済サービスでは、PayPayが62.1%と圧倒的なトップを占め、次いでクレジットカードが44.2%でした。交通系ICカード(32.2%)や楽天ペイ(27.2%)も広く利用されており、複数のサービスを併用する傾向が見られます。男性ではデビットカードの利用率がやや高い傾向にありました。
日常的な利用シーン

キャッシュレス決済が最も利用されているのはコンビニ(67.9%)であり、オンラインショッピング(51.7%)や飲食店・カフェ(48.4%)が続きます。これにより、キャッシュレス決済が日常的な支払いの場面で生活インフラとして定着している様子がうかがえます。ゲーム・デジタルコンテンツの利用は男性が高く、ファッション・衣料品は女性が高いという男女差も見られました。
キャッシュレス決済への懸念

キャッシュレス決済に関する懸念点としては、セキュリティ面が35.8%で最も多く、次いで「使いすぎの不安」が28.2%でした。個人情報・データに関する懸念(25.4%)やシステム障害の不安(24.6%)も挙げられています。一方で、「心配はない」と回答した人も37.3%おり、一定数の利用者は安心感を持っていることがわかります。セキュリティに対する不安は女性で高めでした。
過去5年間の利用状況の変化

過去5年間でキャッシュレス決済の利用が「大幅に増えた」(28.8%)、「やや増えた」(23.1%)と回答した人は合計で51.9%に上り、半数以上が利用頻度を増加させています。これはキャッシュレス決済が「若者のトレンド」ではなく、働く世代の生活習慣の中で「当たり前」になりつつあることを示唆しています。
娯楽関連支出での利用状況

ゲーム・映画・アニメ・配信サービスなどのエンタメ支払いにおいて、キャッシュレス決済を「とてもよく使う」「ときどき使う」と回答した人は合わせて44.9%でした。しかし、「ほとんど使わない」「利用したことがない」という層も55.2%おり、この分野での利用は二極化している状況です。特に女性では「利用したことがない」という回答が多めでした。
少額決済への抵抗感

1,000円未満の少額支払いに対して「特に抵抗はない」と回答した人が68.3%と多数を占め、多くの人が少額でもキャッシュレス決済を気軽に利用していることがわかります。少額支払いにおいて現金を選択する傾向にある人は約8人に1人程度に留まっています。
デジタル商品購入と個人間送金

モバイルウォレットを用いたデジタル商品の購入経験については、「一度もない」と回答した人が50.0%と半数を占めました。これは、この種の取引がまだ多くの人にとって一般的ではないことを示しています。特に女性で未経験者が多い傾向です。

友人間でのデジタル送金に関しても、「一度もない」と回答した人が50.7%と約半数に上りました。しかし、「何度もある」「数回ある」と回答した層も合わせて約4割存在し、利用状況は二極化しています。若年層では個人間送金を繰り返し利用する傾向が見られます。
キャッシュレスサービス選択の重視点

キャッシュレス決済サービスを選ぶ際に最も重視されるのは、ポイント還元・特典(58.6%)でした。次いで、使いやすさ(48.7%)や支払いの速さ(47.4%)が重要視されており、手軽さやスムーズさが求められていることがわかります。セキュリティも42.0%と高く、安全性が重視されていることが示されています。
フォローアップ調査結果
オンラインゲームでのキャッシュレス決済利用

娯楽関連支出でキャッシュレス決済を頻繁に利用する層を対象とした調査では、オンラインゲームでキャッシュレス決済を「よく利用している」と回答した人が48%に達しました。約4分の3が少なくとも一度はオンラインゲームでキャッシュレス決済を利用した経験があると回答しています。
オンラインギャンブル系サービスでの利用状況と支出

オンラインのギャンブル系ゲームやサービスでキャッシュレス決済を「一度でも利用したことがある」人は51%でした。「よく利用している」人は24%であり、継続的な支払い手段となっている層も一定数存在します。

利用されたギャンブル関連サービスでは、カジノ系のオンラインゲーム(51.0%)が最も多く、スポーツベッティングや予想系サービス(45.1%)、パチンコ・パチスロのシミュレーションアプリ(43.1%)が続きます。特定のジャンルに偏らず、幅広いコンテンツで利用されていることが示されています。

オンラインギャンブル関連サービスへの月間支出は、3,000〜4,999円が35.3%と最も多く、毎月数千円程度を利用する層が中心であることがわかります。月1万円以上の高額利用者も9.8%存在します。

オンラインギャンブル系ゲームでキャッシュレス決済を利用する理由としては、「支出管理がしやすい」(45.1%)、「便利で速い」(41.2%)、「ポイントやボーナス、特典」(39.2%)が上位を占めました。男性では「支出管理がしやすい」を重視する傾向が高めでした。
まとめ
日本におけるキャッシュレス決済は、もはや単なる若年層のトレンドではなく、30代から50代の働く世代が日常的な利用を安定的に支える主要な層であることが示されました。この層は、通勤や買い物、家計管理といった実用的な場面でキャッシュレス決済を活用し、時間効率や手間の少なさを求めています。一方、若年層は個人間送金などソーシャルな用途やアプリ型決済を好み、モバイルファーストの感覚でキャッシュレス決済を捉えている点が特徴的です。
世代を問わず、セキュリティや使いすぎへの不安は依然として存在しており、今後のキャッシュレス決済の普及には、これらの実務的な懸念の解消が重要となるでしょう。現代のキャッシュレス文化は、世代ごとの多様な利用傾向とニーズが同時に進展していることが特徴として挙げられます。
調査方法
本調査は、セルフ型アンケートツール「Freeasy」を用いて2段階で実施されました。2025年12月に、日本全国を対象とした1,000人(男女各500人)のスクリーニング調査を行い、利用頻度、利用サービス、利用シーン、不安点、利用状況の変化などを把握しました。
次に、スクリーニング調査の結果に基づき、娯楽関連の支出でキャッシュレス決済を頻繁に利用していると回答した人を対象に、同月にフォローアップ調査を実施しました。この調査では、オンラインゲームやギャンブル関連のデジタルサービスにおける利用経験、支出額、キャッシュレス決済を選ぶ理由など、より詳細な行動について尋ねています。全ての回答は自己申告によるものです。
調査依頼元
この調査リリースはStakeの依頼により実施されたものです。


