名城大学と中部電力、産学連携の新たな一歩
名城大学と中部電力は、2020年3月に産学連携に関する包括協定を結び、これまでも様々な分野で協力体制を築いてきました。そして今年度は、経済学部で環境経済学を学ぶ加藤真也教授のゼミナールが、エネルギーや環境問題について、中部電力と連携して講義や活動を行うことになったそうです。
その第一弾として、4月20日に天白キャンパスのタワー75で、カーボンニュートラルに関するワークショップが実施されました。加藤ゼミの2、3年生27人が参加し、未来の社会について真剣に考えたとのことです。学生の皆さんが、この重要なテーマにどう向き合ったのか、気になりますよね。
カードゲーム「2050カーボンニュートラル」で未来を疑似体験
このワークショップの核となったのは、カードゲーム「2050カーボンニュートラル」でした。このゲームは、カーボンニュートラルの概念や意義を「自分事」として深く理解するために開発されたものだそうです。単なる座学ではなく、体験を通じて学ぶことができるのは、素晴らしいアプローチだと感じました。

学生たちは、「電力会社」「IT事業者」「環境NPO」「政府」といった12種類の業種から自分の関心のある役割を選び、その組織の一員として事業目標の達成を目指します。同時に、他のチームと情報交換や交渉を行いながら、経済活動や温室効果ガス削減などの環境活動を疑似体験していくのです。
ゲームは全4ターンで構成され、1ターンが5年。つまり、20年後の未来をシミュレーションすることになります。カーボンに見立てたマグネットを動かすことで、事業活動でのカーボンの排出・吸収量や、化石燃料・水資源の変化が「見える化」される工夫も凝らされていたそうです。視覚的に変化を捉えられるのは、理解を深める上で非常に有効ですよね。

中部電力の公認ファシリテーターである水谷容子氏がコーディネーターを務め、学生たちの学びをサポートしました。専門家が指導してくれる環境で、実践的な学びができるのは、学生の皆さんにとって貴重な経験になったのではないでしょうか。
浮き彫りになった「現実の厳しさ」と「市民活動の重要性」
ゲームを進める中で、学生たちは事業活動や日常の消費活動が温室効果ガスを大量に増加させることを実感したそうです。そして、水谷氏の指摘により、市民の行動変容がカーボン排出量に好影響を与えることについても認識を深めたとのこと。

ゲーム終了後、最終結果が集約されると、驚くべき事実が明らかになりました。カーボンの排出・吸収量はゲーム前後でほぼ同量だったにもかかわらず、温室効果ガスは約1.5倍に増加。さらに、経済活動では全体の資金が2割以上も減少し、事業目標を達成できたのは、なんと1チームのみだったそうです。

この結果を受けて、学生からは「環境活動を行いたくても見通しが甘くて資金がつき、もっと早く行動すべきだった」といった反省の声が相次ぎました。水谷氏は、この結果について「事業活動に目が向き、市民活動は不足していた」と総括されています。経済活動と環境対策を両立させるためには、市民活動が不可欠であり、市民への早期の情報共有や行動連携があれば、経済と環境の好循環が生まれ、カーボンニュートラル実現の可能性が高まる、と指摘されました。私たち一人ひとりの行動が、いかに重要であるかを改めて考えさせられますね。

参加したゼミ生の宮本蒼生さんは、「カーボンニュートラルを達成するため他の業種と話し合い、どのようにして目標達成に近づくか考えながら学ぶことができて、意識が高まった」と感想を述べています。また、加藤教授も「よくできた難易度の高いゲームで現実の問題が反映されている。12業種一つ一つの行動を理解し体験していくことで、カーボンニュートラルの総合的な知識が得られる」と、このゲームの教育的価値を高く評価されています。
未来への提言と今後の展望
このワークショップは、カーボンニュートラルという複雑な課題に対し、多角的な視点からアプローチすることの重要性を示してくれました。ゲームを通して現実の厳しさを肌で感じ、そこから解決策を模索する経験は、これからの社会を担う学生たちにとって、かけがえのない学びになったことでしょう。加藤教授も、「この学びや高まった意識を今後のゼミ活動にも繋げていきましょう」と呼びかけていらっしゃいます。
今後、名城大学と中部電力は、今回の学びを具体的な活動に繋げていく予定だそうです。どのような新しい取り組みが生まれるのか、今からとても楽しみですね。私たちも、今回の記事をきっかけに、カーボンニュートラルについて深く考え、日々の生活の中でできることを一つずつ実践していくことが大切だと感じました。
皆さんも、この「2050カーボンニュートラル」のような体験型の学びの機会があれば、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか? きっと、新しい発見や気づきがあるはずですよ。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
編集長 KENSAKU


