建設業の「撤退」が過去最多を更新
発表された調査結果によると、2026年上半期(1月から6月)の建設業における倒産(負債1000万円以上、法的整理)は1043件に上り、前年同期を57件、5.8%上回りました。さらに、休廃業・解散(以下「廃業」)は、6月末までに4894件が判明し、前年同期から1064件、27.8%も増加しているとのことです。この結果、今年上半期の建設業の倒産・廃業を合わせた「撤退」の累計は5937件となり、これは上半期としてはリーマン・ショック直後の2009年(5811件)を超え、過去最多を記録しました。この数字は、私たちに何を物語っているのでしょうか。

業態別の厳しい現実と中小企業への影響
「撤退」の累計件数を業態別に見ると、新築戸建てなどを手掛けるハウスメーカーや工務店を含む「木造建築工事」が最も多く、947件で全体の約16%を占めました。これは2017年以来9年ぶりに上半期で900件を超えた数字です。建築資材や土地の価格高騰に加え、住宅ローン金利の上昇による一般消費者の購買意欲の低下、さらには建築基準法の改正に伴う確認申請の厳格化などが重なり、事業継続を断念する事業者が増えている状況がうかがえます。また、「左官工事」(104件、67.7%増)、「金属製屋根工事」(50件、66.7%増)、「タイル工事」(45件、60.7%増)といった特定の業態では、6割を超える増加率を示しており、それぞれの分野で厳しい経営環境に直面していることがわかります。
「ナフサ不足」が招く二極化の加速
建設業界では、以前から職人不足が課題とされてきましたが、近年ではユニットバス、塗料、断熱材、接着剤、塩化ビニール管といった石油由来の建設資材で、欠品や値上がりが続いています。資金力のある大手ゼネコンやハウスメーカーでは優先的に資材が供給される傾向にある一方で、中小工務店や小規模施工会社からは「材料が手に入らない」「仕入れ値が高すぎて手が届かない」といった声が多く聞かれるそうです。これは、ナフサ不足をきっかけに、建設業界における「持つ者」と「持たざる者」の経営格差がより一層鮮明になっていることを示唆しています。現場で奮闘されている方々の苦労を思うと、胸が締め付けられる思いです。
今後の見通しと、私たちができること
現時点では、ナフサ供給不安が主要因となった倒産事例は確認されていないものの、資材不足の中でも現場を止めないよう尽力している事業者は少なくありません。しかし、これまでのコスト高で利益が出にくい経営が続いていた小規模事業者や「一人親方」と呼ばれる業態では、急激な資材の値上げや部材不足による工期遅延が重なれば、資金繰りが急速に悪化する可能性が高いでしょう。中東情勢に端を発したナフサ由来の資材不足や価格高騰は、個々の経営努力だけではコントロールが難しい部分が大きく、現状に耐え切れず事業継続を断念する建設業者は今後も増加する可能性が高いと見られています。
この厳しい状況の中で、私たちに何ができるでしょうか。建設業に携わる皆様にとって、この情報が現状を冷静に把握し、今後の経営戦略を考える上での一助となれば幸いです。情報収集を怠らず、変化に適応する柔軟な姿勢が、これからの時代を乗り越える鍵になるのかもしれませんね。
これからも、皆さんと共に社会の動きを注視し、有益な情報をお届けできるよう努めてまいります。
編集長 KENSAKUでした。


