住宅流動性が私たちの「人生の自由度」を左右する
今回ご紹介するのは、清水千弘氏(PropTech-Lab 所長)による連載コラム「住まいを選び直す自由 ー住宅流動性と人生設計の経済学ー」の第5回です。このコラムでは、住宅市場の流動性が、実は私たちの仕事の選び方、家族の形、そして老後の過ごし方といった「人生の自由度」に深く関わっていると指摘しています。

清水氏は「住宅流動性は、社会が人生の変化をどれだけ許容するかの指標である」と語ります。いかがでしょうか?この言葉、私たちの日常にも深く関わっていると感じませんか?
「家を着替える」という新しい発想
欧米の一部では、人生のステージに合わせて家を買い替えることがごく自然に行われています。新婚時代は都市部のマンション、子どもが生まれたら郊外の戸建て、子どもが独立したら再び都市部のタウンハウス、そして引退後は温暖な気候の土地へ……。まるで服を着替えるように、住まいも人生の伴走者として変化していくのです。
一方で、日本では「一度買ったら長く住む」という感覚が根強く、住み替えには多くのハードルが伴います。この違いは、単なる消費行動の差ではなく、人生の変化を社会がどう支えているか、その根本的な設計思想の違いから来ていると指摘されています。
35歳女性の人生、三つのシナリオ
コラムでは、35歳の独身女性の思考実験を通じて、この問題を分かりやすく提示しています。
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シナリオA(現実の日本): 賃貸を続けるか、35年ローンでマンションを買うか迷い、将来のリスクを考えると決断できず、結局賃貸暮らしが続く。
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シナリオB(住み替えが軽い世界): 今の年齢に合った家を買い、人生の変化があれば気軽に売却して住み替え。AIが最適な物件を提案し、住まいが人生を縛らない。
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シナリオC(家を「持たない」選択): サブスクリプション型の高品質賃貸を利用し、資産は投資で運用。住まいを消費財と割り切る。
いかがでしょうか?この3つのシナリオ、皆さんの心に響くものはありましたか?現代の日本では、現実的な選択肢としてシナリオAしか開かれていないという指摘は、私たちにとって重い問いかけです。シナリオBのような「住み替えが軽い世界」や、シナリオCのような「家を持たない選択」が、もっと身近になったら、私たちの人生はどれほど自由に、そして柔軟になることでしょう。
住まいが「仕事の自由」まで縛る「ロックイン効果」
住み替えのハードルが高いことは、実は仕事の選び方にも大きな影響を与えています。地方の魅力的な企業からの誘いがあっても、住宅ローンや家族の事情、住居選びの不安から、多くの人が転職を諦めてしまう現実があります。
経済学の世界では、住宅市場の流動性の低さが労働市場の流動性も縛る現象を「住宅ロックイン効果」と呼び、近年特に重視されています。これは、個人がより良い機会を求めて移動することを妨げ、結果として社会全体の生産性損失につながると考えられています。
住宅ロックインが社会にもたらす損失は多岐にわたります。
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労働市場のミスマッチ: 人と仕事の最適なマッチングが阻害される。
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都市集中の固定化: 地方への人材還流が起きず、特定の地域に集中する状況が続く。
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機会費用の蓄積: 個々人が諦めた選択肢が、社会全体の損失として積み重なる。
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家族形成への影響: 結婚、出産、介護といったライフイベントが、住まいの制約で先送りされたり、諦められたりする。
住まいを変えることは人生を変えることではない。人生を変えるときに、住まいがそれに追いついてこられるかどうかの問題である。住宅流動性の低さは、住宅市場の問題ではない。社会が人生の変化をどれだけ許容するかの問題である。
未来への展望:住み替えが軽くなる世界へ
もし住み替えがもっと軽くなれば、仕事を変える自由が広がり、地方への転職のハードルも下がるかもしれません。リモートワークの普及がすでに変化の兆しを見せていますが、住居を物理的に移動する自由が広がれば、その効果はさらに大きくなるでしょう。
株式会社property technologiesが運営する『PropTech-Lab』は、まさにこの課題に向き合っています。

『PropTech-Lab』は、不動産市場に新たな価値をもたらし、人々が住まいを選ぶ際の新たな基準や簡便さ、価値観を醸成・提供することを目指しています。市場のニーズに応え、価格高騰のスパイラルを抑制し、より多くの人々が質の高い住宅を手に入れられるよう努めているのですね。
「UNLOCK YOUR POSSIBILITIES. ~テクノロジーで人生の可能性を解き放つ~」というミッションを掲げる株式会社property technologiesは、リアル(住まい)とテクノロジーを融合させ、「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる未来の実現を目指しています。

「家は一生もの」という常識が段階的に崩れゆく中、私たちが直面する新しい住まいと人生の形について、さらに深く掘り下げて考えていく必要があると、私も強く感じました。皆さんも、ぜひ一度、ご自身の住まいと人生について、改めて考えてみてはいかがでしょうか?
【続きはプロパティ・テクノロジーズ 公式サイトで読む】
https://pptc.co.jp/column/20260821_1100/
これからも、皆さんの暮らしに役立つ情報をお届けできるよう、私も日々アンテナを張ってまいります。それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
編集長 KENSAKU


