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【編集長 KENSAKUの注目ネタ】「首都圏マンション在庫増」の真実:都心高額物件に集中する市場の裏側を深掘り!

編集長Kensakuの注目ネタ
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「首都圏の在庫増加」報道の真実

東日本不動産流通機構(REINS)のデータを見ると、確かに首都圏全体の中古マンション在庫は増加傾向にあります。一見すると、市場全体で売れ残りが増えているように見えますよね。私も最初はそう思ってしまいました。

しかし、首都圏全体という大きな括りだけで判断するのは、少し早計かもしれません。大切なのは、「どのエリアで」「どの価格帯で」「どのようなマンションを中心に」在庫が増えているのかという内訳を詳しく見ることだと、この調査は教えてくれます。

実際に地域別のデータを見ていくと、驚くことに埼玉県、千葉県、神奈川県の中古マンション在庫は、むしろ減少傾向にあるというのです。これはどういうことかというと、現在の首都圏における在庫増加は、東京都、特に都心部に集中していることが、全体の数字を押し上げている、ということなんですね。

在庫増加の中心は「東京都」

この東京都と周辺3県の違いは、今の中古マンション市場を考える上で非常に重要です。例えば、東京都心の高額マンションと、千葉県や埼玉県の、いわゆる実需層が購入するマンションでは、購入者の属性も価格の決まり方も大きく異なります。これらをひとまとめにして平均値だけで分析してしまうと、特定のエリアで起きている問題が、まるで市場全体の問題であるかのように見えてしまう、と調査は指摘しています。

そこで、東京都内をさらに細分化し、「流動性」と「価格」の変化を見ていきましょう。

都心5区では「値下げしても売れるまで時間がかかる」

まず、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の「都心5区」に注目してみます。

都心5区では、成約に至るまでの値下げ率が大きくなっていることが分かります。つまり、売主側が価格を下げなければ成約しにくいケースが増えている、ということですね。ここまでは「価格を下げれば売れる」というイメージと合致するかもしれません。

ところが、この調査で私が特に注目したのは、値下げ率が上昇しているにもかかわらず、販売日数がむしろ増加しているという点です。通常、価格を下げれば購入者が増えて、販売期間は短くなるはずですよね。しかし、現在の都心5区では、価格を調整しているにもかかわらず、売却までの時間が長くなっているというのです。

「これは一体どういうことなんだろう?」と私も考えてしまいます。調査結果は、単純な「値下げによって売れる市場」から、「価格を下げても購入者との価格目線が合いにくい市場」へ変化している可能性を示唆している、と分析しています。特に都心5区には1億円、2億円を超えるような高額物件も多く、金利上昇による住宅ローンの影響だけでなく、富裕層の投資判断や資産配分の変化も価格形成に影響しているのかもしれませんね。従来の「少し価格を下げればすぐに売れる」という状況ではなくなっている、と考えるのが自然なようです。

都心5区: 中古マンションの「販売日数」と「成約までの値下げ率」

都心5区以外では「値下げによって流動性を維持」

一方、東京都23区から都心5区を除いたエリアを見てみると、少し異なる動きが見えてきます。

こちらも直近では成約までの値下げ率が上昇傾向にありますが、都心5区と大きく異なるのは、値下げを行うことで販売日数が一定程度維持されている点です。つまり、売主が市場の変化を受けて価格を調整し、その結果として購入者との価格の折り合いがついている、と考えることができます。

このエリアは都心5区と比較すると、実際に住むことを目的とした実需層の割合が高く、住宅ローンを利用して購入する世帯も多くなります。そのため、住宅ローン金利が上昇すれば、購入可能な価格水準が低下し、買主はより厳しい価格目線を持つようになるでしょう。その結果、売主側が価格を調整することで成約に至る、という構造が生まれているのですね。これは、市場が健全に機能している証拠とも言えるのではないでしょうか。

23区(都心5区を除く): 中古マンションの「販売日数」と「成約までの値下げ率」

「平均6400万円」という価格水準が示すもの

成約価格についても見ていきましょう。

都心5区を除く23区では、直近の平均成約価格が概ね6,400万円前後で推移しており、一つの価格水準でバランスしているように見えます。もちろん、これはすべての物件が6,400万円で売買されているという意味ではありませんが、実需層が中心となる市場において、この水準で成約価格が安定していることは注目に値します。

23区(都心5区を除く): 中古マンション平均成約価格

特に現在は住宅ローン金利が上昇しており、購入者の返済負担は以前より大きくなっています。その環境を考慮すると、現在の平均成約価格6,400万円前後という水準には、すでに一定の価格調整が織り込まれている可能性も考えられますね。

一方、都心5区では価格のばらつきが大きく、全体としても価格が減少方向に動いていることが分かります。これは、都心部の高額物件については、まだ市場が新しい価格水準を探している段階にあることを示しているのではないでしょうか。このグラフを見ると、「都心だからといって、必ずしも高値が維持されているわけではないんだな」と実感しますね。

都心5区: 中古マンション平均成約価格

高額マンションの在庫増加が市場全体を押し上げる

さらに、売出価格8,000万円以上のシンボリックなマンションについて、個別の在庫推移を確認すると、より明確な傾向が見えてきます。

この分析では、在庫が減少傾向にあるマンションを赤、横ばいを黄、増加傾向を青として整理しています。東京都心部、特に千代田区、中央区、港区では青のプロットが多く分布していることが分かります。つまり、このエリアで在庫が増えているマンションが多い、ということですね。

一方で、都心部を取り囲む周辺エリアでは黄色のマンションも多く、在庫が大きく積み上がっているわけではありません。この地図を見ると、「どこでも売れにくくなっているわけではないんだな」と、私自身の漠然とした不安が少し和らぎました。特定のエリア、特定のマンションタイプに在庫増加が集中していることが、よく理解できます。

在庫状況の地図

在庫増加の主役は「高額・大規模・タワー」

そして、在庫が増加しているマンションには明確な共通点がある、と調査は指摘しています。それは、高額な大規模マンションやタワーマンションが多いということです。都心部には、数百戸、場合によっては1,000戸を超えるような大規模マンションが存在します。こうしたマンションは、一棟あたりの供給戸数が非常に多いため、仮に一つのマンションで売出在庫が数十戸増加しただけでも、市場全体の在庫数を大きく押し上げてしまうのです。

これは、単純な「1物件の売れ残り」という話ではありません。供給戸数そのものが多いからこそ、こうしたマンションの流動性低下が、東京都全体、さらには首都圏全体の在庫統計に大きな影響を与えているのですね。そして現在、価格調整の対象となっているのも、まさにこうした高額・大規模・タワーマンションが中心となっている、と調査は分析しています。

「首都圏全体が売れなくなった」と考えるのは危険

以上の分析を踏まえると、現在の中古マンション市場を「首都圏全体で流動性が低下している」と捉えるのは、少し違うかもしれませんね。実際には、埼玉県、千葉県、神奈川県では在庫が減少傾向にあり、東京都23区でも都心5区を除けば、価格調整を行いながら一定の流動性が維持されています。

一方で、千代田区、中央区、港区を中心とする都心部では、高額な大規模マンションやタワーマンションの在庫が増加し、価格調整と販売期間の長期化が同時に進んでいます。そのため、都心部の在庫増加によるインパクトが非常に大きく、結果として「首都圏全体の在庫が増えている」「中古マンションが売れにくくなっている」という印象につながっている、と考えられます。

これから重要になるのは「平均値」ではなく「どこで起きているか」

今後の中古マンション市場を分析する上で重要なのは、首都圏全体の在庫数や平均価格だけを見るのではなく、「どのエリアで在庫が増えているのか」「どの価格帯なのか」「どのマンションタイプなのか」「値下げによって売れているのか、それとも値下げしても販売期間が長期化しているのか」といった、より細かな市場分析が必要になる、と調査は結んでいます。私も全く同感です。

特に現在のように金利上昇によって購入者の予算が変化し、高額物件ほど購入者層が限定される局面では、同じ東京都内であってもマンションごとの流動性に大きな差が生まれます。したがって、現在の市場を一言で「中古マンションが売れなくなった」と表現するのは早計でしょう。むしろ今起きているのは、市場全体の崩壊ではなく、都心の高額・大規模・タワーマンションを中心とした超局所的な流動性低下だと捉えるのが、正しい見方ではないでしょうか。

不動産は人生で最も大きな買い物の一つですから、このような詳細な分析は、私たち消費者にとって非常に心強い情報源となりますね。これからマンションの購入や売却を検討される方は、ぜひ「平均値」だけでなく、「今、何がどこで起きているのか」という視点を持って、賢い選択をしていただきたいと思います。

それでは、また次の注目ネタでお会いしましょう!編集長 KENSAKUでした。

【調査概要】

  • 調査期間: 2022年1月~2026年6月

  • 調査機関: マンションリサーチ株式会社

  • 調査対象: 東京都中古マンション

  • サンプル事例数: 96,416事例

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