2026年5月の値上げ状況と年間累計
帝国データバンクの調査によると、2026年5月の飲食料品値上げは合計70品目でした。これは単月で100品目を下回るのが今年1月以来4カ月ぶりとのこと。品目別に見ると、チョコレート菓子などの「菓子」が最も多く38品目を占めています。
年間累計では、2026年1月から9月までの値上げ品目数は6,290品目となる見込みで、前年同時期(2025年4月調査時で14,409品目)と比較すると、約6割減のペースで推移しているようです。1回あたりの平均値上げ率は前年通年と同じく15%前後で推移しているとのこと。

品目数が前年より落ち着いているのは、少し安心できるニュースだと感じますね。しかし、その内訳を見ていくと、やはり気になる点が見えてきます。
値上げ要因の深刻化:「包装・資材」が高騰
今回の調査で特に注目すべきは、値上げ要因の変化です。依然として「原材料高」が99.6%と高い割合を占めていますが、「包装・資材」を要因とする値上げが69.9%に達し、前年(60.2%)を大幅に上回って、集計開始の2023年以降で過去最高ペースで推移していることが明らかになりました。

これは、中東情勢の悪化に伴う包装資材費の高騰が背景にあるとのこと。食料品そのものの原材料だけでなく、商品を包むパッケージのコストが上昇しているのは、私たち消費者には見えにくい部分かもしれませんが、確実に価格に影響を与えているのですね。
「物流費」や「エネルギー」も依然として高い水準ですが、「人件費」由来の値上げは2月の66.2%から低下傾向にあり、年内では最も低い49.4%となっています。原材料や資材高によるコスト上昇の価格転嫁が続く一方で、賃上げなど労務費由来の値上げは相対的に弱まっている状況が見て取れます。
今後の見通し:ナフサ供給不安が値上げラッシュを再燃させる可能性
今後の飲食料品の価格動向については、懸念材料が多いようです。政府による輸入小麦の売り渡し価格引き上げや、1ドル160円に迫る円安水準の長期化が輸入食料のコスト高を招いているほか、物流・人件費といった「粘着的」な値上げ要因も継続しています。
そして、最も大きなリスクとして指摘されているのが、中東情勢の緊迫化によるナフサ供給不安です。ナフサは食品包装フィルムをはじめとする石油由来の樹脂素材の原料となるため、この供給が滞ったり価格が高騰したりすると、食品包装・資材分野に強力な値上げ圧力がかかります。
帝国データバンクが4月上旬に実施したアンケート調査によると、原油高が続いた場合、食品企業(飲食料品・飼料製造57社)の24.6%が「3カ月未満」、31.6%が「3カ月以上~6カ月未満」で主力事業の縮小を検討せざるを得なくなると回答しています。実に半数以上の企業が「持って半年」(10月まで)と認識しているというのは、かなり切迫した状況と言えるのではないでしょうか。

中小食品メーカーからは、「PP(ポリプロピレン)・PE(ポリエチレン)原料の包材メーカーから猶予期間なしの大幅な値上げ要請が相次いでいる」という声も聞かれるそうです。大手メーカーでも業務用食品で生産停止を余儀なくされるなど、すでに生産活動への影響が出始めているとのこと。
現状では、食品フィルムやラベルインクといった素材・中間材での値上げが中心ですが、飲食料品そのものへの転嫁もすでに出始めています。ナフサ供給不足や大幅な価格高止まりが続いた場合は、時間差を伴いながら包装資材コストが新たな負担要因として顕在化するため、今後の動向は極めて不透明だと言えるでしょう。
ホルムズ海峡の事実上の封鎖が早期に解除されたとしても、石化製品の物流混乱は長期にわたって影響を及ぼすという見方も多く、食用油をはじめとする世界的な食糧需給のひっ迫や、原油高に連動した原材料・輸送コスト増、今夏以降に上昇が見込まれる電気・ガス(エネルギーコスト)など、各方面で複合的なコスト上昇圧力が予想されています。
こうした情勢を背景に、飲食料品では早ければ今夏中、遅くとも秋ごろにかけて、広範囲な値上げラッシュが再燃する可能性が高いとみられています。
私たちにできること
今回の調査結果を受けて、編集長KENSAKUとしては、やはり家計への影響が気になりますね。特に、値上げの要因が包装・資材にまで及んでいるというのは、商品の内容量を減らす「実質値上げ」という形でも私たちの目に触れるかもしれません。
食品の値上げは、私たちの食卓に直結する大きな問題です。購入を検討する際には、商品の価格だけでなく、内容量や原材料、そして包装資材のコストがどのように反映されているのか、少し立ち止まって考えてみるのも良いかもしれません。
食料品の価格高騰は避けられない流れのように見えますが、賢く商品を選び、無駄をなくすことで、少しでも家計への負担を軽減できるのではないでしょうか。
編集長 KENSAKUでした。また次回の記事でお会いしましょう!


