調査から見えてきた「情報インテグリティ」の現状
1. 安心できるデジタル空間の環境づくりを担うべき主体
デジタル空間で安心して情報を利用できる環境を誰が作るべきか、という問いに対し、「政府・自治体などの公的機関(33.5%)」「マスメディア(30.4%)」「デジタル・プラットフォーマー(28.1%)」が上位に挙がりました。しかし、最も多かったのは「わからない・あてはまるものはない(35.7%)」という回答でした。

「わからない」という回答が一番多いのは、少し寂しい気もしますね。それだけ、誰かが明確な答えを出してくれるのを待っている、ということかもしれません。私たち自身も、この問題についてもっと積極的に考える必要があるのではないでしょうか。
2. 公共性の高いネットサービスへの期待
民間企業だけでなく、政府・自治体や市民団体による公共性の高いネットサービスが必要だと思うか、という問いに対しては、57.7%の人が「そう思う」「ややそう思う」と回答しました。

公共性の高いサービスへの期待が高いのは、私たち一人ひとりが情報の安全を求めている証拠ではないでしょうか。安心して利用できる、信頼できる情報源が求められていることが伝わってきますね。
3. 偽・誤情報を検証すべき主体と関心度
社会で広まる情報・ニュースの真偽を誰が確認・検証した内容を知りたいか、という問いでは、「政府・自治体など公的機関(28.4%)」「検索サービスを提供する企業(26.8%)」「テレビ局(25.0%)」が上位でした。しかし、「とくに情報・ニュースの真偽を確かめたいとは思わない」と回答した人が31.9%と、最も多い結果となりました。

「真偽を確かめたいとは思わない」という意見が3割以上というのは、正直驚きました。情報の真偽に関心を持つことこそが、私たち自身の身を守る第一歩だと思うのですが、皆さんはどうお感じになりますか?情報を見極める「目」を持つことは、現代社会における大切な「能力」の一つと言えるでしょう。
4. デジタル情報空間の特徴や構造に関わる概念の理解度
「フィルターバブル(6.8%)」や「エコーチェンバー(8.6%)」といった、デジタル情報空間の特性を示す用語の理解度は1割未満と低いことが明らかになりました。

「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」といった言葉、皆さんはご存知でしたか?これらの概念を知ることは、私たちが意図せず偏った情報に囲まれることを防ぎ、より広い視野で物事を捉えるための大切な「武器」になるはずです。情報の「性能」を最大限に引き出すためには、その仕組みを理解することが不可欠だと私は思います。
5. 生成AIによる偽情報への対応と自己防衛の意識
生成AIによって生成された悪意ある偽情報の拡散防止について、作成者以外の責任の所在としては、「情報を拡散したユーザー(35.1%)」が最も高く、次いで「SNSなど、情報が拡散されるプラットフォーム(27.2%)」「生成AIを提供している企業(25.5%)」が挙げられました。

また、利用者自らが正しい情報を見極める力を養うべきだと思う、という回答は68.6%と過半数を占めました。

生成AIの進化は目覚ましいですが、それだけに偽情報を見抜く力はますます重要になりますね。自分自身で情報を判断する力を養うことこそが、最も確実な「セーフティネット」かもしれません。この「情報を見極める力」は、現代を生きる私たちにとって、最も価値のある「スキル」の一つと言えるのではないでしょうか。
6. 情報活用能力の習得方法
情報を適切に活用できる能力(ニュースの読み方やSNSの使い方など)は「学校教育で教えるべきだと思う(62.3%)」、「家庭で学ぶべきだと思う(50.7%)」という意見が多く見られました。

学校や家庭で情報リテラシーを学ぶべきという声が多いのは、とても希望が持てますね。幼い頃から、情報の「質」を見極める目を育むことができたら、どんなに素晴らしいでしょう。私たち大人が、子どもたちにこの大切な「能力」を伝える責任があると感じます。
情報インテグリティ向上のために私たちができること
今回の調査結果から、偽・誤情報に対する私たち自身の抵抗力がまだまだ弱いことが浮き彫りになりました。情報の真偽を確かめることへの関心の低さや、デジタル情報空間の仕組みへの理解不足は、私たちにとって大きな課題と言えるでしょう。
しかし、利用者自らが正しい情報を見極める力を養うべきだという意識は高く、また、学校や家庭での教育の必要性も認識されています。これは、情報インテグリティ向上に向けた大きな一歩となるはずです。
国際大学の山口真一教授も、「生成AI時代においては、多様なステークホルダーの協働モデルを構築し、制度の整備、技術設計の改善、そして教育の充実の三つの取り組みを包括的に進めることが求められる」とコメントされています。
私たち一人ひとりが「情報を見極める力」という「商品」を積極的に「購入」し、その「性能」を最大限に引き出すことができれば、きっと、より安心できるデジタル情報空間が実現するでしょう。それは、決して難しいことではありません。日々の情報に少し立ち止まり、「これは本当かな?」と考えてみることから始めてみませんか?
調査の詳細はこちらでご覧いただけます
皆さんの情報との向き合い方が、より豊かで確かなものになることを願っています。また次回の記事でお会いしましょう!
編集長 KENSAKU


